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❅·̩͙34 ページ34

どうにか私の純潔は守られた。
白雪のアジトに帰ってきたとき
だてが優しい顔でハーブティーを差し出してくれて。



リラックス効果があるよって言われたのを1口飲んだら
ここは安心出来る場所なのだと実感が湧いて
思わずまた泣きそうになった。



深「集合」



一足先に帰ってきていたふっかは、ずっと険しい顔をしている。
総長であることを嫌でも分からせられる姿に
メンバーも何も言わず彼の周りに腰を下ろした。



渡辺だけは、私の隣に座る。



深「お前ら何してんの」



怖い。
素直にそう思った。



向「…ごめん」


深「康二だけじゃねえよ。
照、阿部、翔太。お前ら1回やってたろ?
あん時顔割れたからここ来てもらったんじゃん、
結局攫われてんなら意味ねぇだろ、
危機感足りなかったんじゃねえの」


阿「…そうだね。軽く考えてたかもしれない」


『……悪い』



重く、苦しい空気が張り詰める。
9人の中に漂う沈黙が痛い。



「いや、私が悪いの。向井にここに居てって言われたのに
外出てきちゃったから」


深「俺が頭張ってるうちは
女は絶対喧嘩に巻き込まねぇってのがうちの流儀なの。
そこにどんな理由があっても。だから、悪いのは俺ら」



有無を言わさぬ物言い。
勇気を振り絞っての発言は呆気なく散る。



その後ふっかからBEASTの頭は潰したことと
今後の私への対応が伝えられた。



潰したとはいえ、BEAST自体が解体したわけじゃない。
メンツも潰れた奴らが即座にまたかかってくる可能性は低いが
情報に強い奴らは、私のことをばら撒くだけばら撒いて
他のどこかに託す可能性がある。



となれば。



深「守れる所にいてもらう必要があんのよ」



ふっかがポケットから何かを取り出した。
銀色に煌めく、チェーンのついたかわいい雪だるま。



ちらりと見せられたそれが渡辺に向かって投げられる。



深「俺らは季節外れの雪を降らす白雪。
雪を集めてできるその雪だるまは俺らの化身」



渡辺が私の後ろに滑り込んだ。
ネックレスが素早く付けられて、髪を持ち上げられる。



『…似合うじゃん』


深「Aちゃん、俺らの仲間になって。
そうじゃなきゃ守れない」



勝手に巻き込んだくせに。
勝手に、関わってきたくせに。



関わることなんかないと思ってた彼らが
今じゃ関わらない日々を想像することが出来ない。



3年の始まり。
私は、10人目の白雪となった。

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hrr - おもしろくて一気読みしました!続き楽しみにしています! (4月10日 14時) (レス) id: 5934ce0412 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カジャ | 作成日時:2024年3月20日 19時

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