❅·̩͙17 ページ17
授業の途中に入るなんて嫌だったから
一限が終わる頃に校門を潜った。
誰かにノートを見せてもらいたいところだけど
生憎このクラスで私が仲良くしてる子は
真面目にノートをとるようなタイプがいない。
ア「あ!Aおはよー、珍しいじゃんサボり?」
リ「蓮くんがさっき来てて、Aいるか聞かれたよ!
なにー結局Aも蓮くん狙い?」
「おはよ。人助けしてた、目黒蓮は狙ってない」
人助けとか言い訳のテッパンじゃん、って笑われた。
ガチなのに。
ヘラっと笑う得意の笑みを2人に向けて
名前があやふやな隣のメガネくんの肩をつついた。
…なんかびくってされた。
「ごめん、さっきの授業のノート見せてくれない?」
さっきの授業が何か分かってないけど。
「 あ、うん…どうぞ 」
「ありがと、今日中に返すー」
真面目だねえ、と飛んでくる声をどこかの芸人のように
まあねーと流してノートを開いた。
よりによって数学かよ。
朝から数字なんて計算してられないわ。
意味の分からない公式をひたすら写した。
全くもってひとっつも理解できないから、
また隣のメガネくんをつつく。
いちいちビクビクするのはやめてほしい。
「 ん、ん? 」
「これなんでこうなんの?」
「 えーっと…これはまず… 」
阿部には劣るがなかなかわかりやすい説明をしてくれる。
ふむふむと聞き入って、もうちょっとで理解出来るというところで
大袈裟な音を立てて教室の扉が開いた。
『…いた、サボり!』
まっすぐ私を見つめた渡辺が
後ろに岩本と阿部を引き連れて立っていた。
可哀想にメガネくん、怯えてる。
なにかされたことがあるのかな。
てかサボりじゃないし。
あんたらの仲間助けてたわ。感謝してくれ。
リ「Aご指名だよー」
渡辺の代わりに阿部が可愛く手招きしてるから
元同じクラスのよしみで仕方なく教室を出た。
「ご用ですか?」
ほっぺた膨らんでる。
ぶりっ子の怒り方じゃん。
何も言わない渡辺の代わりに、今度は岩本が口を開く。
岩「連絡返ってこなかったから拗ねてんだよ」
『拗ねてねぇし』
岩「あぁ、間違えた。心配して顔見に来たんだったな」
連絡が来ていたことを知らなかった。
慌てて確認すると確かに「朝一緒に行こ」の文字。
「気づいてなかった、ごめんごめん」
…ほっぺたがもっと膨らんでしまった。
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hrr - おもしろくて一気読みしました!続き楽しみにしています! (4月10日 14時) (レス) id: 5934ce0412 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カジャ | 作成日時:2024年3月20日 19時