契約結婚〜2〜 (ページ4)

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臣side
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ホテルに帰る途中、少し先に綺麗なビーチがある
その場所を気になる様子で見てたA。

「いく？」

『行きたいですっ！』

テンションが上がってウキウキで答えたA。
普段見せない姿ばかりを見て嬉しくなる。

少し歩くと目の前に広がるビーチ
夕日が海に反射してキラキラしてた。

『...綺麗』

隣で呟いたAの横顔に一粒の涙が頬を伝った。

それを見て...無意識に身体が動いた

Aの頬に手を添えて、そっと伝った涙を親指ですくう

髪が潮風になびいて、長いまつ毛が涙の残りでキラキラと光る。

ほんとにこの世のものとは思えないほど

「....綺麗だ」

真っ直ぐにAを見て言った。

『臣さん？海は向こうですよ』

ニコッとAが笑いながら俺に指摘する

「知ってるよ」

そう言ってAが"綺麗"と言った海をもう一度目に焼き付けたくて振り返って見た。

俺から見ればただの海...
この海を綺麗だと思い涙を落とすAの心がどれだけ綺麗なのか改めて思い知った。

キラキラと光る海に視線を奪われてる君は

『連れて来てくれてありがとうございます』

嬉しそうに言った。

いつも無表情の君がこの1日で色んな表情を見せる。
今までどれほど心を押し殺してきたんだろうと考えると胸が張り裂けそうになった...

「また来よう」

この笑顔を守りたいと本気で思った。

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