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...
『ありがとうございます...』
お礼を言ってバスルームへ向かった...
お風呂であったまってリビングに行くと綺麗に片付けられたキッチンと、もう姿の無い臣さん
仕事行ったのかな?
お風呂なんて後で入ってもっと一緒にいたかったな
なんて後悔しても、もう遅い。
落ち込んでソファーに座って手当たり次第につけたテレビはどのチャンネルも興味がなくて、スイッチを切った。
まぁ明日も会えるから落ち込むのはやめよう。
なーんて独り言を思ってると
リビングの扉がガチャっと開いて
「あ、上がった?アイス買ってきた、食べる?」
コンビニの袋を顔の横にぶら下げて小さく上下する身体に、嬉しくて自分でもわかる程に口角が上がった。
臣さんがダイニングテーブルに袋をひっくり返して雑に出てきた数個のアイス達...
「好きなの食べて」
ストロベリー、バニラ、チョコ、キャラメル、ミント
その中からチョコレートのアイスを手にとって
『ありがとうございます』
お礼を言うと...
「意外だね、ストロベリーかキャラメル、ミント辺りが好きかと思った」
なんて言いながら臣さんはキャラメル味を手に取った。
『ミント以外はどれも好きですよ?』
って言った私に「へーそうなんだ」って興味なさげに答えた臣さん...
2人で席についてアイスを食べて...
『おいしー』
ついつい言葉に出て恥ずかしくてチラリと臣さんを見た。
そんな臣さんは私を見るなりフッと笑って
「でしょ?」
なんて得意げな顔。
今日は何だか話しやすい雰囲気を纏ってる臣さんに、さっきの後悔もあり思い切って話題を切り出した。
『臣さんもアイスなんて食べるんですね』
「ハハッなに?俺だってアイスくらい食うよ?」
笑って答える臣さんにつられて笑う。
『臣さんもコンビニなんて行くんですね』
「誰だって行くだろ」
なんて笑い続ける臣さんは続けて言った
「あーでも、久しぶりコンビニ行った気がする...アイスも久しぶりに食べた」
"んーうまい"そう言って口に運び続けるキャラメル味のアイス。
この何でもない幸せな空間が心地よかった。
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作者名:青空 | 作成日時:2024年3月26日 1時