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マンションについてエレベーターに乗り込もうとするとメッセージが一件きてた。
"Aが出た後、速攻で帰って行ったからバレてる"
オーナーからだった。
やばい、やばいの言葉がぐるぐると頭を回る。
とりあえず先に家に帰ってて普通にしておこう
そう思ってエレベーターに乗り込んで自宅の玄関をあけた。
...二つの男性ものの靴を見て絶望。
ゆっくりLDKの扉を開けるとこっちを見た臣さんと岩田さん。
「どこにいってた？」
いつもより明らかに声の低い臣さん。
『さ、さ、散歩です。』
嘘が下手すぎて自分を殴りたくなる。
「...目あったよね」
岩田さんに言われて、
『合ってないです！』
なんて答えた私はもうゲームオーバー。
「なに、楽しいの？」
私に近づきながら完璧に怒ってる臣さん。
『そんなんじゃ...』
「だったら何？」
私の目の前まで来た臣さんは私を見下ろしてた。
『...学費が高くて...ごめんなさい。』
泣きそうなのをグッとこらえた。
「は？」
何言ってんのこいつ見たいな顔で私を見てる...
『臣さんにはカード使えって言われたけど...何だか悪い気がして...ごめんなさい。』
もう一度謝って俯いた。
臣さんのため息に申し訳なくなる。
「A」
名前を呼ばれて、それでも顔を上げれなかった。
「俺を見て...」
両手で私の頬に手を添えて、くいっと向けられた顔。
「...ごめん」
なぜか謝る臣さんに対して声を出したいけど同時に涙も出そうで声が詰まってだせない...
小さく横に首を振るしかできなかった。
「もっと気を掛けてれば良かった。明日ここに現金置いておくから...使って。」
やっと小さく声が出た...
『...ごめんなさい』
その瞬間ぐいっと引き寄せられてすっぽりと臣さんに包まれる。
「もういいよ、謝んなよ...」
『...お店も辞めます。』
「うん。あの店潰すから...」
え？顔を上げた私に
「当たり前だろ...18なのに働かせて、第一お前は俺のだろ...」
改めて臣さんの力の凄さを思い知る。
「...何かされた？指一本でも触られた？」
私の頬を親指ですりすりと優しく撫でながら聞く声は低くて怖い。
...たしかに、たまに太もも撫でられたり、手を握られたり、そんな事はあったけど...
『...無いです』
そう答えた。
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作者名：青空
| 作成日時：2024年3月26日 1時
