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you side
「登坂様、奥様のご準備整いました」
私の準備を終えてスタッフの方が臣さんに声をかける...
ソファーから立ち上がった臣さんは振り返った。
綺麗にセットされた髪に、バチっと決まったオシャレスーツ
言葉を失った...
臣さんは何も言わないままゆっくり近づいて、私を見つめた後...
「やっぱ、行くのやめようかな」
そう呟いた。
『え?』
このドレスは難易度が高すぎた...
『やっぱり似合わないですよね』
心配になってそう言うと...
「誰にも見せたくないくらい綺麗だよ」
そう言った臣さんは私のおでこにキスを落とした。
『...臣さんもかっこよすぎて...誰にも見せたくないです...』
他の人が居る時は本音を言えばいい...
思ったままに言葉にすると...
私の腰に手を回して、もう片方はうなじに手を回し、グイッと引き寄せられて...
長くて深いキスをした。
止まらないキスにとろけそうになる...
角度を変えて何度も唇を奪われる...
『...っ、臣...さん』
厚い胸板を押すと、ちゅっと音を立てて離された唇...
いくら演技とはいえ、人前であんなキス...
『...え、スタッフさんは?』
いつの間にか姿が無くて...
「...臣さんもかっこよすぎて...誰にも見せたくないです...なんて言ったから、遠慮して出て行ったよ」
意地悪く笑った臣さん...
顔が真っ赤になるのが自分でも分かった。
『っそ、それは!...「知ってるよ、仕事してくれたんだよね、ありがと」
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作者名:青空 | 作成日時:2024年3月26日 1時