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「日本におらんて、どこ行ったんや!!」
取り乱してる。
「ロンドンでブティックやっとる俺の友人とこ行ったわ」*第9話参照
「ロンドンなんてめっちゃ遠いやんけ。会おう思てもすぐ会えへん距離やし…そんなん嫌や。俺、Aに会いたい!今からちょっとロンドン行ってくるわ」
そう言って立ち上がる。
「ちょ、待たんかーい」
「ちょ、待てよ」
当然ながら、みんなに止められましたけど。
ーーーーー
興奮が冷めきらない康二。佐久間とラウールが両側から取り押さえてる。
「まぁ、聞けや」
TETSUYAが静かに話し始めた。
ーーーーー
「こうこう、こうなる訳やな」
*いつもの如く説明雑
要するにAの野望は、康二の最高の笑顔が欲しい。康二の笑顔でファンはもちろん、SnowManのメンバーも、SnowManにかかわる全ての人みんなが幸せになれると信じてる。康二の魅力を最大限に引き出せる。そんなスタイリストになりたい。
「Aは《向井康二って最高なんだぜ!!》ってのを世の中に発信したいんやって。ようわからんけど、結局康二が好きすぎてヤバいヤツって事なんかな」
それを聞いた康二
「Aそんなに俺の事…うっうっ…オェ…」
また、えずいた。
「康二くん今日泣きすぎー」
"さすがに引くー"とかラウールに言われてる。
「Aも陰では泣いてばっかやねん。あいつ人前ではめったに泣かんけど」
そう言って、TETSUYAがある物を康二に手渡す。
「…俺のリップ?」
キュポン⭐︎とフタを取って中身を繰り出してみる。
「もう入ってないやん」
「Aが使ってしまったからな。それ塗ると康二にキスされとるみたいやって…。あいつ泣きそうな時、いっつもそれ塗りたくっとんねん」
「リップだけじゃないよ」
阿部ちゃんがスマホのデータフォルダから数枚をピックアップする。
「これは…//」
いつぞやのMステ終了後、康二の衣装に抱きついてる写真。康二も見た事ある光景。
「泣きたい時、そうする事で康二になぐさめてもらってる気分になって頑張ってたんじゃない?」
佐久間がしみじみ言葉を噛み締めてる。
「どこまでできるかわからへんけど、向こうで前に進もうと必死やねん。せやから康二、Aの気持ち汲んだってくれんかな」
いつになく真剣なTETSUYA。
「わかった…俺も負けてられへん」
康二の顔がキリリと引き締まった。
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作者名:ミズ | 作成日時:2024年3月24日 19時