佐久間さんちは今日も幸せ2

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ーー即戦力になる子を探してるんだ。





滝沢副社長の相談というのは、正直なところ驚きの内容だった。


うちの事務所に所属するジュニアやタレントは、ほとんどがオーディションを受けて入ってきた子達ばかりだ。


スカウトから入所するケースもあったけど、かなり稀な例で、イレギュラーと言ってもいい。


即戦力として売り出す子を外部から探してくるなんて、今までなら考えられないことだった。









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次の仕事に向かう滝沢と別れた後、そのまま辰哉の行き付けのバーに足を運んでいた。


いつもなら仕事が終わったら速攻で自宅に帰るのに、滝沢の話が気になって、もう少し話したい気分だった。


辰「なぁ、さっきの滝沢くんの話だけどさ、あの子を推薦してみたら」


大「あの子って？」


辰「この間、お前がレッスンの時に連れて来た、関西弁の子だよ。こうじくん.......だっけ」


大「あぁ、康二ね！結局スタッフに会わせる時間がなくて、あの日は見学だけになっちゃったんだよねー」


辰「少しだけダンスに参加して貰ったけど、経験者だけあってセンスあるよ。ルックスも良いし」


大「そうだなぁ。康二自身にも聞いてみないとだけど、今度事務所に連れてきてみよっか」


辰「だな！あとで滝沢くんにもメールしとくよ。
んじゃ、話が纏まったことだし、そろそろ帰るとしますか！」


大「ん、ふっかごちそーさま！！」


辰「はぁぁ？！？！お前の分も俺が出すのかよ！」


大「にゃはは！だって俺、千円しか持ってないもーん！」


辰「おま、ふざけんなよ！貸しにしとくからな！！」





その後、滝沢と辰哉との間で何度かメールのやり取りがあったようだ。


面接の為に康二を事務所に連れていくことになったのは、それから1週間後のことだった。

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