佐久間さんちは今日も幸せ4

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康「そろそろかなぁ…」


スマホを弄りながら彼が来るまでの時間を潰す。


紫耀は自分より遥かに有名人だから、渋谷に来るなら電車じゃなくてタクシーを使うかもしれない。


道路側に目を向けていると、ふいに周りが騒めく気配がして、近くの女子高生が小声で叫んだ。


『ねぇ、あの人ジャニーズの人じゃない？』


『え、マジ？！』


『キンプリの平野くんに似てる気がするんだけど、本物？』


『えー？まさかでしょ？』


彼女達の声にバッと勢いよく振り返ると、駅の方から歩いてくる紫耀の姿が見えた。


一応眼鏡とマスクはしているものの、トレードマークの明るい髪はそのままで、ほとんど隠していない。


眼鏡越しにも分かる端正な目元とスタイルの良さは、若者だらけの渋谷でも一際目立っていた。









＊＊＊＊＊









紫「こーじぃ！お待たせ〜」


康「っ.......紫耀くん！声でか......ッ」


俺と目が合った途端、ブンブンと無邪気に手を振りながら駆け寄ってきた。


いや、そんな大声出したら一発でバレてまうやん！


フリーズする俺の前まで来ると、王子様さながらに微笑みながら、スルリと腕を絡ませてきた。


紫「ほな、行こか♪」


モアイ像の周辺にいる女子高生からキャー！という黄色い悲鳴を上がる。


確実に半径5メートルの人々には気付かれているはずなのに、彼は全く気にすることなく歩き始めた。

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