rwy (ページ34)

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北「あーなるほど。また厄介なのに絡まれてますね。

そう言えば樹が目黒のこと探してたよ。急ぎっぽかったから早く行った方がいいんじゃない？」

『だって、目黒。先輩からかってないで仕事しろ。』

すると、目の前の男前は先程とは打って変わって途端に不貞腐れたような表情を浮かべる。

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目「……今度絶対家行くんで。」

そう言ってこれまた長い足をくるりと翻し、ランウェイを歩いてるかのごとくスマートに去っていった。

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『顔は良いんだけどな。』

北「付き合ってるんですか？」

『本気で言ってる？』

北「まさか。

……でもああいうのに絡まれなくなる方法、一つだけ知ってますよ。」

『何しても無駄な気がするけど。』

北「あれ。案外満更でもない感じですか？」

『冗談やめて。何、そんなに言うなら聞かせてよ。』

すると涼しげな表情は途端にニヤリとした笑みに変わり、

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北「作っちゃえば良いんですよ。恋人。」

『………』

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気がつくと背後には壁、横を見ればスラリと長い腕、正面には塩顔イケメンのドアップ。という豪華3点盛り。居酒屋だったら割といい値段するやつ。

北「表情ひとつくらい変えてくださいよ。」

『本日2度目の壁ドン。アラサーが少女漫画思考はさすがに痛いでしょ。』

北「名案だと思ったんですけどね。」

『まあどこにもお嫁に行けなかったら、深月パパに石油王紹介してもらえることになってるから安心して。』

北「さすがに昼間っから野菜ニンニクアブラ増し増し頼むアラサー女子、いくら一夫多妻制でもお断りじゃないですか。」

『はっ、一夫多妻制なんてこっちからお断りだわ』

北「涙目ですよ。」

『私もしかして結婚できない女の一途を辿ってる？』

北「…………」

『やめて北斗。

後輩からの哀れみの眼差しほど屈辱的なものってないから。』

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〜オマケ〜

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「なあ、なんで最近昼間のラーメン付き合ってくんねえの」

『あー、なんていうか。

…婚期との兼ね合いで。』

「根気？

まあ確かにあれ食うには必要だよな。」

『………。

ふっかには絶対油田分けてやんない。』

「は？油田？なんだそれ。石油王の話？」

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(噛み合わない会話に婚期なんてどうでも良くなって、この後結局野菜ニンニクアブラ増し増しを貪ったらしい)

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