rwy (ページ12)

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2人が無様に悶えてる姿を後目に、私は天使の元へと急ぐ。

すると向かいのカフェテリアから見慣れた顔が出てくるのが見えた。

「あ、Aさん。お疲れ様です。今からラウのとこっすか？」

アホ営業マンを振り切った先で出会ったのは、これまたアホ営業マン。

彼の場合はタイツのデニール数を当ててくるような愚かな人間ではないが。

『お疲れ目黒。
疲れに疲れまくったから癒し求めに行くの。

それ、コーヒー？』

相変わらずスタイリッシュな姿。ドリンクを片手にただ歩いているだけでも様になる。

「メニュー英語ばっかで読めなかったんで美味いの作ってくれって頼みました。何かは分かんないっす。

色的にコーヒーっすかね？」

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……そう。

お察しの通り、私の背後で蹲ってる変態とは違って目の前の男は正真正銘、ただのアホである。

『よくこの会社入れたね。』

「あざっす」

褒めてねえよ。

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「てかあれ、何すか？」

私の背後を指差し、不思議そうに首を傾げる。

『え？なんも見えないけど。』

「……なるほど。見えちゃいけないものなんすね。」

アホだけど勘は良いらしい。

「じゃあお疲れ様です。今度飯でも行きましょ。」

『イケメンの顔見ながら飲むなんて悪酔いしそう。』

「イケメンなんて先輩達で見慣れてるでしょ」

『目黒こそ。私よりもっと若い子の方が楽しいと思うけど。』

「俺遠回しに断られてます？」

『社交辞令だと思って受け取っとく。』

「本気ですけどね。俺は。

おすすめあるんで、今日なんてどうですか。

社交辞令じゃないって言う証明にでも。」

『ふーん。目黒のおすすめね。

ちなみにどこなの？』

「俺ん家」

『あんたもアイツらみたいに社内のエントランスで恥かきたい？』

「やっぱあれAさんの仕業ですか？」

未だにエントランスで悶えている恥ずかしい大人2人を見つめてクスクス笑う。

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