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深澤先輩に頼まれたおつかいで事務に行く途中、康二に会った。




「お、Aやん!こっち来るなんて珍しいなぁ」
「おつかい頼まれて〜」
「お〜奇遇やなぁ。俺もやで!」



まさかAに会えるなんてなぁとニコニコしている康二と並んで歩く。
たまたま会えただけだというのにここまで喜んでもらえるなんて嬉しい限りだ。




「なあなあ今夜飲み行かん?」
「行ってあげたいのは山々なんだが残念ながら先約があるのよ〜」
「え〜寂しいやん〜!」
「なみちゃん誘ってサシ行きなさい」
「伊藤は彼氏と約束あるって言っててん…」
「あらまあ」



なみちゃんは付き合って長い彼氏がいる。
部外者がどうこう言うのは違うと思うが正直あの彼はやめたほうがいい気がする。
女子と2人で遊び行く自分のことは棚に上げてなみちゃんの友達だって切らせようとしてきた人だ。
まあ本人は別に何言われても放置しているとなんだかんだ幸せそうなので何も言わないでおく。



「ごめんよっ。今日は私の最愛の推し様、渡辺先輩とごはんに行くのだ」
「おお〜!よかったやん!楽しんで来ぃ〜」
「うん!まじで今から緊張だよ〜」



そんな話をしているとあっという間に事務室。
とりあえずそれぞれで用事を済ませてそれぞれの部署まで途中まで一緒に帰る。



「康二さ〜彼女とかつくんないの?」
「へえ!?な、何や急に!」
「お、その反応は好きな人でもいるな?」
「お、おらん!おらんで!」
「怪しいなぁ〜また今度白状しろよ〜?」



わかりやすく顔と態度に出てる康二はほ、ほな!とか言いながら自分の部署へ行ってしまった。
入る時に肩をぶつけて痛っ!とか言ってたけど面白いので完全放置でいこうと思う。

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作者名:雪野真哉 | 作成日時:2024年3月15日 11時

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