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推し様は俯いてる私の前まで移動してきたかと思うと私に顎を掴んで上を向かせた。
とてるもないイケメンでした。
「お前さ。危機感持てって言ったよな？」
「え、いや、まあそうですけど…」
「酔っ払って机に伏せて寝て。俺が気づかなかったら誰かに持ち帰られてたかもしんねえだぞ？」
「うっ…それは…すみません…」
「いいか、お前のこと持ち帰っていいのは俺だけだ。他のヤツに持ち帰らせる雰囲気を作るな」
「〜っ！！！！」
お前にこと持ち帰っていいのは俺だけだ…？
え、なにそれなにそれ！！！それはもう推しとヲタクの域を超えてるのよ！いやまだ超えてないけど！
「不束者ですがよろしくお願いします」
「おい待て何の話しだ」
「恥ずかしながら恋愛経験はほぼ皆無です。よろしくお願いします」
「待て待て。また頭の中で変な変換してんだろ」
お前みたいなガキの体に興味ねえよと私にデコピンをかまして立ち上がった推し様。
下から見てもかっこいいって何事ですか。保護します。存在自体が国宝です。文化財です。
「俺シャワー行くから部屋漁るなよ」
「…はい」
「さっきの間はなんだ」
「えへ」
「えへじゃねえ。縛り付けていくぞ」
「推し様はそう言う感じが好きなんですね…分かりました推し様のためなら…」
「お前は本当に何言ってんだ」
呆れながらお風呂に向かった推し様。
部屋を見て回って写真を撮りまくりたいのはやまやまだけど釘刺されちゃったのでおとなしくソファーで横になる。
明日も仕事は休みだし少しくらいいいよね…なんて思いながら目を瞑るとすぐにふわ〜っとしてきて意識が飛び…そうになりました。
メイク落とさずに寝たらまた怒られるので起きてますよ。
でも推し様に起こして欲しいので寝たふりはします。
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作者名：雪野真哉 | 作成日時：2024年3月15日 11時
