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飲んでたら頭がふわ〜っとなってきて眠くなった。
机に伏せてみたら前から大丈夫？って聞こえて右手あげて大丈夫ってサインをしたつもりだけど眠すぎてそれどころじゃなくて気づけば意識を手放していた。
私は夜、誰かと一緒に道を歩いていた。
暗がりのせいで顔が見えないけど、手を繋いで、私の歩幅に合わせて、隣を歩いてくれるその人は、急に止まったかと思うと私に顔を近づけてきた。
人がいるから、なんて制したのを無視したその人の顔はすぐ目の前まで来ていて。
暗がりで見えなかったその顔をよくみてみればそれは、推し様で。
TOだからとて推し様とキスなんてできないっ！身分違いすぎる！
「推し様待って、ダメ、ダメだってばぁ〜！！！！」
「おまえうるさいんだけど」
目を開くとそこには以前見たことのあるような天井が広がっていた。
私の家じゃない天井。
嫌な予感がして、というかもうさっきの声で100％確定してるその正解にぎぎぎ…と音がしそうなくらいゆっくり横を向いた。
「お前どんな夢見てんだよ。何もしてねえだろうが」
「推し様だぁっ…」
ソファーの横に胡座をかいて頬杖をついてる少し拗ねた顔の推し様が。
何もしてない、ということはさっきのは夢で。
私はまた推し様の家に連れてこられてるってことはあのあと爆睡してたんだろうな。
推し様にすごく申し訳なくなって起き上がって床に降りて座った。土下座の前の体制で。
「推し様の手を煩わせてしまい、誠に申し訳ございませんでした…」
頭を勢いよく下げようとしたらおでこを上に押されて反動で起き上がってしまった。
「な、なんでしょう」
「土下座なんか頼んでねえよ。それよりな、A。俺は怒ってる」
「ほらぁやっぱりおこってるじゃないですか…本当にもうすみませんでした…」
「だから土下座は頼んでないって言ってんだろ」
「ええ…」
じゃあどうやって謝ればいいんでしょうね、誠心誠意謝ってるつもりなんです。私は。
「んでお前、なんで酒飲んだんだよ。ダメだって言ったよな？」
「え、いやまあその〜えへへ」
「えへへじゃねえよ」
「目の前に…お酒があったので」
「目の前に山があったからみたいに言ってんじゃねえ」
「すみません…」
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作者名：雪野真哉 | 作成日時：2024年3月15日 11時
