28 ページ30
「…おいA」
一定の距離を保ちながらついていってたら急に立ち止まる先輩。
私の中の忠犬が急に出てきて小走りで先輩の横へ行った。
「な、なんでしょう」
「…お前さ、なんで今日あんま話しかけてこなかったの？」
「…へ、？」
「いつもならうざいくらいに寄ってくるのに今日寄ってこなかった」
そういえば康二のことで悩んでたからあんま先輩のところに行ってなかったなぁと。
「すみません！ちょっと考え事してたので！明日はいっぱい行きます！」
「いや来るな」
「え〜」
「…あと、ふっかと何話したの」
「あ、その例の悩み事の相談乗ってもらっただけですよ！」
「…さっきの男は？」
「…悩みの元凶です」
あははなんて笑って見せると先輩は私をじっと見つめて。
「言ったよな、他のやつに尻尾振んなって」
「あ、はい、」
「ふっかには特に…絶対に。お前は俺のTOなんだろうが」
「…！」
これは、もしかして。いや、もしかしなくても！
「大天使様…それは“嫉妬”と言うやつですね！？」
「は、いや違」
「私が康二とか深澤先輩と話してたのが嫌だったんですよね！？嫉妬ですね！！推し様に嫉妬していただけるなんて最っ高のファンサです…もう幸せすぎて空飛べますよ…」
「…お前のその早口で意味不明なこと言うの1日1回は聞かねえとなんか不安になるわ。まあいつも通りで安心した」
そう言ってまた歩き始めた先輩。
私の声聞かないと安心できないって…？それはつまり、
私の声1日1回聞かないと安心できない
↓
毎日声聞かせて？
↓
毎日話したいな
↓
毎日電話する？
こういうことですね！推し様！
申し訳ないですが毎日電話なんかしたら心臓がもたないので却下させていただきます！
「あああ…推し様かっこいいい…ちゅき…」
「何やってんだよ。早くしろ」
「はいっ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 540人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪野真哉 | 作成日時：2024年3月15日 11時
